夏の避難所対策
2024年08月11日
虫対策
体育館などを利用した避難所は、開放的な空間も多く、夜間のみならず昼間も「虫」に悩まされます。
そのため、虫除けスプレーなどが必要になります。虫よけスプレーは「人害」がないものを選びましょう。
★防虫スプレー
また避難所ではさまざまな虫がいるので、「ハチ」「アブ」「蚊」など多種類に効果のある、虫刺され用の塗り薬なども準備するとよいでしょう。赤ちゃんや子ども用には日ごろから使っているものを用意してください。
暑さ対策
防災グッズをクーラーボックスや発泡スチロールの箱に詰めておくのも有効な対策です。
ペットボトル飲料など少しでも冷たいものが入手できれば、クーラーボックスの中で冷たいまま保存できます。また、衣服にかけると冷たくなるコールドスプレーや叩けば冷える瞬間冷却剤などを常備しておくことも大切です。うちわや手持ち用の小型扇風機も用意したいですね。
突然の子供の発熱、怪我にも対応できますし、暑くて寝苦しい夜に、少しでもひんやりするものがあると気持ちが落ち着きます。よく利用される「冷却ジェルシート」は冷却効果が低いので利用したい場合は、頚動脈(クビ)、脇など大きな動脈走行がある場所に貼付するとよいでしょう。
夏の防災では熱中症対策の備蓄として「ミネラルウォーター」または「経口補水液」を備えておくことは必須です。
病気にならないための衛生対策
夏の避難所で一番怖いのは、食中毒などの感染症です。集団生活で、しかも食物などが傷みやすい時期です。できる限り、衛生面には注意したいです。在宅避難の場合もリスクがないわけではありません。
●注意するポイントは以下になります。
★ため水は使わない
★食料の食べ回しはしない
★食品に触れるさいは、手袋をする・手を消毒する
★食品の臭いや色などに注意し、少しの異変でも食べない
《1》手洗い
避難所でのタオルの共用は要注意。自分専用のタオルか、ウェットティッシュやペーパータオルを利用しましょう。トイレ後の手洗いは、よく洗うことができれば一番良いのですが、使用量が制限されることがあり十分に洗うことができません。そのため、手洗い後にアルコールジェルなどをすり込んで、乾燥させるとよいでしょう。注意したいのは、タオルの共同利用です。
トイレ、厨房、水まわりのタオルは、どんな菌が潜んでいるかわからないので、自分のタオル(乾燥したもの)を使いましょう。もちろん、使い捨てペーパータオルやウエットティッシュがあれば利用してください。
《2》食べ物
お箸やフォーク等がなく、手づかみで食べる場合には、素手は使わずラップやアルミホイルなどで持って食べましょう。袋入りのパンやお菓子なども手で中身を触らず、袋を手に持って中身を直接食べるほうが安全です。
また、配食されたらなるべく早く食べきること。
「残しておいて後で食べよう」と思っているうちに、食中毒の菌が増殖することがあり、大変危険です。
環境の変化による不眠・疲れ対策
災害時には多くのストレスが降りかかります。
「肉体的ストレス」+「精神的ストレス」+「暑さと湿度の不快感」で眠れなくなることも珍しくありません。不眠は慢性的な疲れを引き起こし、更なるストレスへと悪循環を繰り返すことになるのです。
そこで熱中症対策でも紹介した、冷却シートと手持ち用の小型扇風機はストレス軽減におすすめです。
真夏の災害時ではにおいにかかわるストレスも多くあります。特に女性の場合、毎月の体調不良のときなどにストレスを感じることも多く、避難生活でのにおいでPTSDになってしまった人もいるほどです。
特に妊婦さんは、普段でもにおいに敏感になるので、「私は気になりそうだな」と思ったら準備しておくと良いと思います。
●においにかんしてのおすすめ防災グッズは以下になります。
★マスク
新型コロナウイルス対策でも必須のアイテムですが、臭い対策にも有効です。しかし真夏のマスク着用は熱中症のリスクが高まります。手作りの布マスクなどが対策としては良いですね。また、各メーカーからも 夏用マスクが販売されており以前よりもラインナップが豊富です。
★汗拭きシート
普段使いされているかたが多いアイテムだと思います。 夏は汗を多くかくので、汗のベタツキから汗のにおいが気になり不快感は相当なものです。さらにお風呂に入れない状況が続くことも多いため、精神的ストレスが積み重なっていく傾向にあります。
そこで汗拭きシートをこまめに使い、清潔に保つことは被災生活を過ごすうえで大切であり臭い対策にも有効です。冷感や刺激のあるものを好む人もいますが、防災グッズとしてはノンアルコール・無香料で低刺激な体ふきシートがおすすめです。
★水なしシャンプー
このアイテムは優れものです。夏場にお風呂に入れないことは相当なストレスになります。髪の長い女性は特に気になるポイントだと思います。
★ペパーミントなどの抗菌作用の強いアロマオイル
アロマオイルは臭い対策には非常に効果が高いです。また、 夏バテの原因である自律神経の乱れを整えてくれる効果があるので精神的ストレスを大きく緩和してくれるアイテムですね。
なかでもペパーミントは暑い時期には最適なアロマで、爽快感のあるミント系の香りはひんやり心地良く、特にペパーミントの香りにはクールダウン効果が期待できるのでおすすめ。
さらに、ペパーミントの香りを嗅ぐことによって「体感温度が4度下がる」というデータがあります
1 ペパーミントの香りを嗅がない状態で、28℃の水に手を入れる。
2 ペパーミントの香りを嗅いだ状態で、32℃の水に手を入れる。
3 1と2の状況で、感じる体感温度が同レベルという結果が出ました。ペパーミントの香りを嗅ぐだけで、4度も体感温度が下がったというわけです。
出典 公益財団法人日本アロマ環境協会「アロマでクールダウン」