赤ちゃんが生まれたら~
2025年09月11日
●乳児期からのお口育て(口腔機能の発達)
その1 哺乳・授乳
赤ちゃんのお口の成長は、哺乳・授乳によるお口の運動から始まります。
初乳には赤ちゃんから細菌やウイルスから守る抗体成分や栄養が含まれているので可能であれば、母乳育児が推奨されます。
また、赤ちゃんの舌と上あごでお母さんのおっぱいを飲むという時間は親子にとっても素晴らしい体験かと思います。
もちろん、事情により人工乳ということもあるかと思いますが、その場合は哺乳瓶の乳首の穴の形と大きさに注意しましょう。
赤ちゃんが母乳と同じように舌と上あごでしっかり吸わないとミルクが出ないような形状のものを選びましょう。
一回の授乳に15分くらいかかるものが良いでしょう。
子どものお口育てに詳しい歯科医師の先生方とお話ししていると、多くの先生がこちらをお勧めしているようです。
(決して、メーカーさんからお願いされたというわけではないですよ。)
あと、おっぱいでの授乳は、左右のおっぱいのどちらも飲ませるかと思いますが、
哺乳瓶の時は、お母さんの利き腕側での授乳になりがちです。
意識的に、左右バランスよく与えてあげるのも大事なことです。

授乳のポジションも大切です。
いろいろなポジションがありますが、歯科的な観点からすると舌と床が平行になるような角度の抱き方がお勧めです。
哺乳瓶での授乳の時はこのポジションをコントロールできるかと思いますが、おっぱいの授乳の場合、首が座る3か月ぐらいまではそのポジションでは母乳を飲ませにくい、さらに筆者である私も経験いたしましたが、乳首は赤ちゃんにいろんな方向から飲んでいただかないと、乳腺炎を引き起こしたりしますので、最初のうちは飲ませやすいポジションで良いでしょう。
とにかく、しっかり乳首をくわえさせて舌をちゃんと動かして上あごに強く圧接して母乳を絞り出して吸ってもらう。
これがお口の周りの筋肉のトレーニングになり、栄養補給に加えて、お口の成長を促します。
スマートフォン片手に授乳だと乳首を浅く加えさせた状態になりやすいので、ここは赤ちゃんと目線を合わせて、
話しかけるなどコミュニケーションを取りながら赤ちゃんのお口育ての時間を楽しみましょう!
●赤ちゃんがなんでも口に入れて舐めまわすのは、この世界を知る手段!!
生後3ヶ月ぐらいから起きている時間が長くなり、あらゆるものに興味が出てきます。
仰向けの赤ちゃんが頭を左右に動かせるようになり、目が見えて手が使えるようになるとこの世界を知ろうと口になんでも入れるようになります。自分の握りこぶしも入れますね。
実はものを感じる感覚は舐めたり触ったりすることで発達します。
これを口唇感覚と呼びますが、これが知覚の基礎、大事なのですね。
だから、菌が付着しているから舐めるのはダメとばかり取り上げるのはいけないようです。
この舐める感覚が育ってから触る感覚が育ちます。
十分やらせてあげてから次のステップの感覚獲得なのですね。
●首周りの筋肉をしっかり鍛えさせてあげよう!!
実は、私たちが何気なくやっている呼吸や嚥下はしっかり体幹が安定していて、首周りの筋肉がしっかり働いていることで可能となっているのです。
ちなみに首を持ち上げる練習は生後1か月くらいからと言われています。
うつぶせの状態から首を持ち上げる練習はうつぶせ寝による乳児突然死症候群の発生を防ぐためにも、
かならずそばで見ていてあげてくださいね。
この練習はその後の寝返り、お座り、ハイハイなどの今後の発達の基盤となります。
とくに、ハイハイはいっぱいやらせてあげてくださいね。