詩「最後のとき」の紹介
2022年03月30日
『今日のFMクマガヤ『地域に広がれ、子育てのわ』3月29日の放送
「もうすぐ入園保育園の先生に聞いてみよう」をテーマに、第三なでしこ保育園の高田園長さんと第二なでしこ保育園伊藤主任さんをゲストにお話しを聞きました。
コロナ禍の保育園の取り組みや保育士の皆さんの思い。新しい生活に向かうママたちへのアドバイスや園での子どもたちの様子をイメージ出来るお話しをたくさんしてもらいました。
最後にお二人からのメッセージで、伊藤主任さんからのご紹介いただき、朗読してもらった【最後のとき】をここに残します。
「最後のとき(The Last Time)」
赤ちゃんをその腕に抱いた瞬間から
あなたはこれまでとは全く違う人生を生きる以前の自分に戻りたいと思うかもしれない
自由と時間があって 心配することなど何もなかったあの頃の自分に
今まで経験したことがないほどの徒労感
毎日毎日まったく同じ日々ミルクを与えて背中をさすってやり
おむつを替えては泣かれてぐずられて嫌がられて
昼寝をしすぎてもしなくても心配で終わることのない永遠の繰り返しに思えるかもしれないだけど
忘れないで……すべてのことには、「最後のとき」があるということを
ご飯を食べさせてやるのはこれが最後、というときがやってくる
長い一日のあと子どもがあなたの膝で寝てしまう だけど眠っている子どもを抱くのはこれが最後
子どもを抱っこ紐で抱えて出かける だけど抱っこ紐を使うのはこれが最後
夜はお風呂で髪を洗ってやる だけど明日からはもう一人でできると言われる
道を渡るときには手を握ってくる だけど手をつなぐのはこれが最後
夜中こっそり寝室にやってきてベッドにもぐりこんでくる だけどそんなふうに起こされるのはこれが最後
昼下がりに歌いながら手遊びをする だけどその歌を歌ってやるのはこれが最後
学校まで送っていけば行ってきますのキスをしてくる だけど次の日からは一人でだいじょうぶと言われる
寝る前に本を読み聞かせて 汚れた顔をふいてやるのもこれが最後
子どもが両手を広げて あなたの胸に飛び込んでくるのもこれが最後
だけど「これが最後」ということはあなたには分からない
それがもう二度と起こらないのだと気付くころにはすでに時は流れてしまっている
だから今、あなたの人生のこの瞬間にもたくさんの「最後」があることを忘れないで
もう二度とないのだと気付いてはじめてあと一日でいいから、
あと一度きりでいいから、と切望するような大切な「最後のとき」があることを
おーちゃん先生も、大好きな詩です。大好きだけど、読むたびにちょっと泣いちゃう詩です。