10月からスタート!産後パパ育休(出生時育児休業)の話
2022年11月04日コラム
2022年は育休が大きく変わる年と言われています。みなさんもニュース等で見聞きしたことがあるのではないでしょうか?
中でも一番注目されているのが、今年10月より新しくスタートした「産後パパ育休」。正式には「出生時育児休業」というのですが、主に男性が取得することから、産後パパ育休と呼ばれている制度です。
この産後パパ育休は、通常の原則1歳まで取得できる育休とは別の制度で、子どもが生まれてから8週間のあいだに、4週間まで仕事をお休みできるのが特徴です。
では、具体的にはどんな制度なのでしょうか?一緒にチェックしていきましょう!
産後パパ育休の期間と日数
別名【出生時】育児休業ということからもわかるように、子どもが生まれたときに取得できる休業制度です。子どもが生まれてから8週間以内に、最大で4週間までお休みすることができます。
通常の原則1歳まで取得できる育休とは別の制度なので、間違えないようにしてくださいね。
どうやって取得できるの?
産後パパ育休を取りたい2週間前までに会社に申し出る必要があります。会社によっては1カ月前までに申し出るよう決まっている場合もあるので、詳しくは会社に問い合わせてみましょう。
出生時育児休業給付金がもらえる
通常の原則1歳までの育休を取得した場合、育児休業給付金がもらえますが、産後パパ育休も同じように「出生時育児休業給付金」という給付金がもらえます。
ただし、誰でももらえるわけではなく、支給要件というものがあります。自分がもらえるかどうかは厚労省のこちらのページを参考するか、会社の担当窓口の方に相談してみるとよいでしょう。
産後パパ育休は分割できる
先ほど、「産後パパ育休は、子どもが生まれてから8週間以内に4週間まで取得できる」ということをお話しましたが、この「4週間」は2回に分割して取得することができます。例えば、8週間のうち2週間のお休みを2回取れる、というイメージです。2回取得できると、ママの入院時に1回目のお休み(パパと上のお子さんが一緒に過ごす等)、一度職場に復帰して、ママが退院後しばらくしてから2回目のお休みを取る…といった休み方が可能になるわけです。
ただし、この分割は最初にまとめて申し出る必要があります。お休みしている途中で「やっぱり2回取得したい」と申し出ることは原則できないので、注意しましょう。
産後パパ育休期間中の就業
男性の育児休業取得のネックは、職場を長期間離れてしまうことへの不安と言われています。出生時育児休業はたとえ数週間とはいえ、やはり業務に支障をきたすおそれもあるかもしれません。
そんなパパにとって朗報なのが、この産後パパ育休。会社が事前に取り決めをしている場合に限りますが、休業中でも働くことができるんです。これは、産後パパ育休の最大の特徴の一つです。
ただし、無制限に働けるわけではありません。休業中に働ける日数と時間には上限があるので、詳しくは事前に会社に確認しておくといいですね。
産後パパ育休は育児休業とは別に取得できる
産後パパ育休は「子どもが生まれてから8週間以内」でお休みできるものです。いわゆる通常の育児休業とは全く別の制度になります。なので、産後パパ育休を取得後、子どもが生まれてから8週間以降に、通常の育児休業を取得することも可能です。
ただし、産後パパ育休と通常の育休が連続していないか等、細かいルールがあります。両方の制度を使いたい場合は、まずは会社の担当窓口の方に「自分がどんな休み方をしたいか」を相談し、それがOKかを事前に確認することをおすすめします。
産後パパ育休のまとめ
最後に、産後パパ育休の内容についてまとめたものをチェックしておきましょう。
対象期間 | 子どもが生まれてから8週間以内 |
取得可能日数 | 期間内(8週間以内)に4週間まで |
申し出の期限 | 原則、産後パパ育休をとる2週間前まで |
出生時育児休業給付金 | 支給要件を満たしていればもらえる |
産後パパ育休の分割取得 | 2回まで分割して取得できる。ただし最初にまとめて申し出なければならない |
産後パパ育休中の就業 | 事前に会社と約束していれば、休業中に働くことができる |
育児休業と別に取得 | 産後パパ育休と育児休業は別々に取得できる |
10月からスタートした産後パパ育休につて、いかがでしたか?
男女共働きの家庭が増え、積極的に育児をやりたい!という男性も増えてきています。実際、平成30年の男性育休取得率は6.16%でしたが、令和3年には13.97%と、約2倍に増えています。みなさんも、ぜひ産後パパ育休を活用してみてくださいね。
(ママさん社会保険労務士 矢野かおり)